変形性股関節症とは?股関節の仕組み股関節は「大腿骨」という太ももの骨と、「骨盤」で構成されており、大腿骨の頭の部分(大腿骨頭)が股関節の寛骨臼にすっぽりはまった状態になっています。言ってみれば、大腿骨頭がボール、股関節側の寛骨臼がソケットのようなもの。ボールはソケットのなかを360度自由に動けるようになっているため、本来股関節は可動域が非常に広いのです。変形性股関節症とは変形性股関節症は、股関節の関節軟骨が変性し、摩耗や破壊が進行する病気です。これにより、股関節の軟骨がすり減って関節に炎症が起き、痛みや動きの制限が出る疾患です。特に40代以降の女性に多く、進行すると日常生活にも支障が出ます。症状の初期段階では保存療法を行いますが、変形が進行すると手術療法(骨切り術や人工股関節置換術など)が必要となる場合があります。変形性股関節症の原因とは変形性股関節症の原因は、大きく分けて一次性と二次性に分類されます。一次性変形性股関節症は、加齢や関節の使い過ぎなどにより、明らかな原因がなく発症するものです。一方、二次性変形性股関節症は、先天性股関節脱臼や股関節の異常、外傷、関節リウマチなどが原因で発症します。主な原因加齢長年の摩擦による軟骨のすり減りが原因。とくに40〜50歳の女性に多く発症します。寛骨臼形成不全骨盤側の受け皿部分(寛骨臼)の形成が不十分で、股関節が不安定になります。先天性股関節脱臼 生まれつき股関節が不安定であったり、大腿骨頭が臼蓋にはまりきっていない状態です。大腿骨頭壊死症ステロイド注射やアルコール多飲が原因で、大腿骨の上端にある骨頭への血流が途絶え、骨が壊死する病気です。関節リウマチ免疫の異常によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる病気です。関節唇損傷股関節のソケット部分を囲む軟骨「関節唇」が損傷することで、鋭い痛みやクリック音(引っかかる感覚)を引き起こします。原因はスポーツや繰り返しの動作による摩耗、または構造的な異常によることもあります。長時間歩行や階段昇降で痛みが悪化するのが特徴です。損傷の程度によりますが、股関節の不安定性が起こって軟骨への力学的なストレスが増強し、変形性股関節症の原因となる可能性があります。股関節インピンジメント(FAI)骨の形に異常があり、股関節が動く際に骨同士がぶつかって痛みを起こす疾患です。スポーツをしている若年層に多く、しゃがむ、前屈みになるなどの動作で股関節の前側に痛みが出ます。長期間放置すると関節唇の損傷や変形性股関節症に進行することもあります。変形性股関節症の場合に現れる症状症状チェック:あなたの関節は大丈夫?変形性股関節症にかかると、日常生活の動作で股関節の前側や片側に痛みやだるさを感じます。病気が進行すると安静時にも脚の付け根が痛くなったり、膝や太もも、お尻に痛みが現れることもあります。【変形性股関節症の症状】歩き始めや階段の上り下りで股関節が痛む長時間歩いた後に鈍い痛みを感じる朝起きたときに股関節のこわばりや重だるさを感じる進行すると夜間痛や安静にしていても痛みを感じる足のつけね(股関節)から太ももの前や膝の痛みがある。しゃがむと痛い。痛くて深くしゃがめない上記の症状に当てはまる方は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。やってはいけないこと変形性股関節症では、股関節に負担をかける動作や姿勢、生活習慣を避けることが重要です。座る時はなるべく椅子に座り、痛む時は無理せず休憩を取るように調整しましょう。深くしゃがむ正座をする激しい運動や飛び跳ねる動き重い荷物を持って長時間歩く片足に重心をかけて立ったり座ったりするハイヒール(前重心になり、股関節に負担がかかる)診断と検査方法変形性股関節症は、症状とレントゲンでの変形を元に診断されます。進行が確認されると、CTやMRIを用いてより詳細に調べることがあります。X線検査:骨の形状や関節の隙間を確認MRI:軟骨の状態や関節周囲の損傷を把握可動域テスト・痛みの場所の確認変形性股関節症の保存療法初期の変形性股関節症の場合、まず保存療法を行います。痛みの緩和と症状の進行を抑えることを目的に、薬物療法、注射、リハビリテーションなどを行います。運動療法:中殿筋・大腿四頭筋などのトレーニング体重管理:股関節への負担を減らす薬物療法:消炎鎮痛剤やヒアルロン酸注射物理療法:温熱療法・ストレッチなど変形性股関節症の手術療法保存療法(薬物療法やリハビリ)が効果を示さない場合や、症状が重度で日常生活に支障をきたしている場合は手術が検討されます。変形性股関節症の手術は、大きく分けて「人工股関節置換術」、「骨切り術」の2つの方法があります。人工股関節置換術(THA:Total Hip Arthroplasty)関節の損傷部を人工パーツに置き換える手術です。特徴痛みの大幅な改善が期待でき、歩行もスムーズになります。人工の骨頭ボールがライナーにはまることで、滑らかな股関節の動きが再現されます。滑らかな股関節の動きを再現することができます。対象となる人高齢者でも安全に行われることが多く、再発のリスクが非常に低い手術です。レントゲン上で変形がかなり進んでいることが確認でき、減量を目的とした生活指導や、筋力を高める運動療法を行ってもあまり効果がみられない場合が適用になります。術後について入院後、早期に歩行練習を開始し、通常は数週間〜1ヶ月程度で日常生活へ復帰が可能です。骨切り術寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんこつきりじゅつ)は、股関節の骨の一部を切り取り、関節の構造を調整することで痛みの軽減を図る手術です。特徴骨盤の一部(寛骨臼)をドーム状に切開し、スライドさせて位置を調整大腿骨頭をしっかり覆うように臼蓋を形成し、関節への荷重を分散自分の関節を温存できるため、人工関節よりも自然な動きが保たれます対象となる人おもに20〜30代の比較的若年の患者が対象で、股関節の軟骨がまだ十分に残っている場合に行います。術後についてリハビリが極めて重要。数ヶ月にわたり筋力・可動域の回復を図ります。痛みの軽減だけでなく、将来的な人工関節手術の回避にも有効です。変形性股関節症は適切な処置で治せる初期・早期の変形性股関節症の保存療法は、適切な処置で痛みを軽減し進行を遅らせることができます。変形性股関節症は年齢とともに誰にでも起こりうる疾患です。歩行など日常生活で股関節に違和感を感じたら、早めに対処することで、進行を防ぎ、手術を回避できるケースもあります。当院では再生医療(幹細胞・高濃度PRP療法)を取り入れており、手術を避けたいという方のご相談にも対応しています。また当院では収束型体外衝撃波(FSW)療法をおすすめしています。近年このショックウェーブ(体外衝撃波)という物理的なエネルギー療法に変形性関節症の炎症抑制、除痛効果、軟骨の代謝改善効果があることが確認されております。股関節の異常を感じたら、自己判断せず、まずは当院にご相談ください。